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Moscow 第32回 シュール・トレーニング/表現
風邪をひいたらしい。
喉が少し痛い。

こんな時、この国ではどうするのか知りたい、と思いながら家を出る。
思えば、渡航前からお世話になっている現地在住の日本人の方、ホストファミリーや語学学校の人やカーチャもいたのだが、体調が悪くなると心細くなって周りが見えなくなる…!
練習後、「マッサージ待ちのガリーナ」に再びばったり会い、喉が痛くて、と指で示すと、「温かいお茶とレモンと蜂蜜よ。あと暖かくしなさい!」とのアドバイス。さっそくハチミツを買った。家に帰ったらすでに大瓶があった…。
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■朝クラス
月曜。
行ってみると、4人が深刻な顔をして少し離れて座っていた。
ザイコだけ、バスケットボールを枕にしてゴロゴロしていたが、質問に答えて姿勢の話をしていたらしい。ふかふかミーシャと校長先生が、ザイコに差し出された人差し指を右と左に分かれて座り、握って感触を確認している。何やら解説している。その後、「ほれ」と差し出されたので、しゃがんだまま握ってみた。皆、黙ってこっちを見ている。
握っているうちに(なんかおかしいぞ)と思っていたら自分の上体が倒れ始めた。洗脳ではない。何某かがこちらの体を動かしている。拳の中のザイコの指1本が。そのうちでんぐり返って仰向けになったところで、ザイコにバチン!バチン!と体を気をつけの形で固められ、仰向けになったまま動けなくなってしまった。
3人のおじさん達が、神妙に座ったまま見ている。
誰も何もいわない。シュールだ。

(これどーすんの)

ミカエルに固められた時も時々思ったけれど、動こうと思えば動けるのではないか。でも今は、どういうタイミングで…と思っていたら、頭の向こうから「呼吸をしながらゆっくり動いて」と声がしたので、足から順に動きたい方へ動かし、最後は立ち上がる。「good
」とザイコ。
「起き上がれ」「そこで踏ん張れ」という頭の指示命令でなく、身体が先に動く方へとゆっくり動いたのがよかったらしい。ゆっくり、ゆっくり身体の声を聴きながら動く。普段立っているとなかなかできない。
その後、いつもの2人組のテイクダウンをやっていたら、また「手が空っぽ!!!」と両手をバチバチやられて手を満タンにされる。
仕事の時でも何においても指先を使っているのに、相手をとろうという時に手先に意識がないって変な話だけどある意味新鮮だ。大きな違いは、頭の指示を聞かないというところか。そこの切り替えができるかできないかではなかろうか…


■朝クラス
火曜。
体調が心配で迷いつつ遅れて朝クラスに行ったらザイコがおらず、いつもひげのおじいさんと11時から2人で練習しているインストラクターのリマ、009さんと大きなピョートルと練習。リマは英語が少し話せる。なかなか練習する機会がなかったけど、今日は久しぶりに教えてもらった。その表現が面白い。

「ドアを開けちゃだめだ」

懸命に英語で表現を考えてひねり出してくれた表現が『ドア』。
『ドア』は「感覚」のようなイメージだったので、全開にしてなんぼだろうと思っていた。ザイコは小さな頭の中にとじこもるな、ここから(胸鎖関節辺り)動け、と説明していたから。
しかしリマは、「ドアを閉めておけばなんでもないだろう?」と我関せずナイフを向けてくる相手をテイクダウン。動きが鋭くてちょっと怖い。でも分かりやすい。なるほど、そういう表現もありか。おそらくナイフや相手の拳をみてビビッて固まることに対して、「そもそもドアを開けるな」という言い方をしたと思われる。逆にいえば、相手を「見て」さえいれば、自分側にある『ドア』を開ける必要もない。

009さんが一緒に練習してくれた。
凄い。このワーク、というかメソッドをコンプリートしてしまった。非常にソフトで、でも持っていかれる。私の中をちゃんとみてるから、こちらは感じることさえできずに刃先を押さえられてしまう。これだ。私は波が激しく、出来がまばらで、009さんが最後までピョートルと一緒に付き合ってくれたが…今日はいまいちだった。
ワークの時、寝不足だと集中できない。ミカエルの言葉で「健康な戦士には…」という表現があったけど、本当にそう思う。寝付けない上に風邪が本格化したらたまらない。身体の声を聴くなら、ゆっくり休もう。

終わり際に、大きなピョートルが唐突に聞いてきた。
「そういえばマリー、名前は?」
いや、もうマリー(おちび)でいいよ、と思ったけれど、せっかくなので「Μакико」と名乗ると、二人も名乗ってくれた。
「ピョートルだ」大きな手で握手。
「サーシャだ」009さんも笑顔で教えてくれた。嬉しい!009さんはアレクサンドルという名前だった。あれ?アレクサンドルってもう一人いなかったかしら。

朝の人たちには、知っている限りでミカエルが2人、アレクサンドルが2人。大概4~5名なので同名の人が多数…。ザイコも含めて、皆で呼び合いながらたまに笑っていたけど、そういうことだったのか。

■夜クラス
朝いなかった方のアレクサンドルがやってきた。
ザイコと長いスパー。

喉が痛いのが気になる。せっかく道場に暖房が入り始めたというのになんか寒い…とふとみたら、いつもの筋トレチームが窓を開けてトレーニングしていた。外は1℃~-1℃。見ているだけには堪える。やめて…!気づくと他にも窓が開いていた。みんな半袖なのになぜ、と思ったらその前がキッズクラスだった。長いこと騒いでいたので、きっと彼らが開けたのだろう。

スパー後、一人ひとりに軽くストライク。3種類うたれる。外だけ、軽く内側へ、強めに内側へ。打たれた所からぶわっと血が通い始めて心身ともに元気になるのを感じた。語学の授業で折れた心も蘇る。ストライクってすごいな!
「どれが1番効いた?」というので、3発目、と答えると「僕もそう思う」とザイコ。続いて全員の肩へ空手チョップ的な1発。独特な擬音語を発し、「これ、すごく大事。みんな知ってるから」と冗談をいう。ザイコは擬音語が好きで、よくいろんな音や鼻歌を聴く。家の人たちもたまに歌っているので、ロシアの人って、もしかして歌好きなのだろうか。

その後、スティックを使ってワークし、時々ザイコに相手をしてもらうも、何もない。「your power」という表現そのもの。スパーをみていても、相手がどこにいようと関係ない。うーん。

●今日のロシア語
Τрудно(トゥルーグナ) 難しい 

(2017.10.24)


[ 2017/10/25 06:44 ]

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